麹菌と呼ばれても

色んな変遷を経て向井康二を最後の男に決めたオタの話

どうしようもない私が7人にお祝いの言葉を言うなら

 

2021年7月28日という日が、誰かにとってとんでもなく素敵な日になった事、私もその日を体験したひとりとして、理解したい気持ちがあるのですが、どうしてか、同じ気持ちを持てない私の懺悔のような話。

時は遡って、康二くんが関西にいた頃の話。私は関西ジャニーズJrに魅せられて、彼らが出演する番組を見て、チケットを取り、こんなにも輝き放つ人達がいるんだと思う一方で、彼らの置かれる境遇に不満を言うようなファンでした。

その景色が少し変わったのは、私が関西ジャニーズJrを目にした夏から、少し経ったあと。ここで私は向井康二という生涯最後だろうという推しと出会うのですが、これは別に運命的でドラマチックで胸きゅんなシチュエーションなんかでは無く、残酷で切なくて胸が痛む出会いでした。

私が関西で見ていた康二くんは常に「選ばれなかった人」でした。目の前には輝く7人がいて、そのほんの少し、ほんの少し後ろで私の好きな人がパフォーマンスしていました。今の私が当時の私に言ってあげられることとしたら「大丈夫、目の前の康二くんを信じて。大丈夫デビューはすぐ傍まできてるよ」と。

こんな言葉を未来からかけてくれる人がいれば、少しは状況が変わったのかもしれません。でも、そんな訳もなく、当時の私にとって7人は眩しすぎました。

そんな姿を目にするのが今、とんでもなく辛い人がいることでしょう。昨日まで仲間だと思ってたけど、そうじゃなくなってしまうような。拳を握りしめて「おめでとう」と辛い中言ってる人もいるでしょう。私より十分立派な人達です。

当時の私は徹底的に彼らを嫌いになるしかありませんでした。もちろん、目立って攻撃するでもなく、ただただ、視界に入らないよう努力するしかありませんでした。そのお陰もあってか、Snow Man入りへなんの未練もなく「さよなら関西!またな!」と振り切ったファンとなったのかもしれません。

この時徹底的に彼らを排除した私は、こんなお祝いの時になっても心にもやもやを飼っていました。康二くんがSnow Manとしてとんでもない記録をたたき出している今でも、結局、あの時のひとりぼっちの康二くんを思い出してしまうんです。

私も、トゲトゲした心を持って、彼らを見つめ、その視線に心を痛めた人たちがいて、どこかで投げられた言葉が忘れられなくて、やっぱり、あの当時のことを思い出してしまって。今もまだ、私の中に彼らを手放しで呼び込むことが出来ずにいます。きっと、Snow Manのデビューを祝ってくれた人もいるのに、私はとんでもなく情けなく、どうしようもない人間です。

この傷が癒えるのがいつなのかと言われても分かりません。もしかしたらずっとこのまま、彼らを受け入れられないままなのかもしれない。

でも、あの時の私をまだ心に飼う私が、今の7人にお祝いの言葉を言うとしたら、嫉妬したのは、デビューを掴めるほどに眩しかったから。1番近くで仲間として、皆の輝きを、そのための努力を見ていたから。悔しかった。自分の好きな人が影になるようで。でも、その輝きでほんとうはたくさんの人を照らすことができる。肝心な言葉を言えなくてごめん。でも、また会えて嬉しいよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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